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低圧系統用蓄電池 / 補助金・融資

最終更新日: 制度動向にあわせて随時更新しています

低圧系統用蓄電池の補助金・融資
49.5kWで使える制度を一次資料で確認

東光パートナーズには、低圧の系統用蓄電池案件について「使える補助金や融資はあるか」というお問い合わせが、ここ最近急増しています。このページでは、2026年8月7日時点で確認できる公的な補助金・融資制度の情報を整理しました。制度の対象になるかどうかは設備の接続形態や事業者ごとの状況によって異なるため、契約・発注前に、自社の案件が対象になるかどうかを顧問税理士や取引金融機関へ事前にご相談いただくことをおすすめします。

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収支検討の基本ケース(補助金前提)
7,200万円
公庫融資限度額(GX関連・上限)
1,000kW以上
過去の系統用蓄電池補助制度の対象受電電力
個別審査
融資可否・補助対象の最終判断

補助金を検討する前に押さえるべき、重要な区別

蓄電池の補助金や税制優遇は、設備が「需要側」なのか「系統直結型」なのかによって、対象となる制度がまったく異なります。

蓄電池の補助金や税制優遇は、その設備が需要家施設に設置される自家消費・BCP・DR用の業務産業用蓄電池なのか、電力系統に直接接続する低圧・系統直結型の独立蓄電所なのかによって、対象となる制度がまったく異なります。同じ「蓄電池」という言葉でも、接続先(需要側か系統側か)、利用目的、PCS出力、受電電力、設置形態によって、適用される補助金・融資・税制の枠組みは別物です。

本ページが扱うのは、49.5kW等、50kW未満で電力系統へ直接接続する独立型蓄電所(低圧・系統直結型)です。設備出力の数字だけを見て「小規模だから対象になるはず」と判断せず、まず自社の設備がどちらの区分に該当するかを確認することが、補助金・融資の検討における最初のステップです。

SIIの小規模業務産業用蓄電システムは利用できるか

SII(環境共創イニシアチブ)が実施する業務産業用蓄電システム導入支援事業は、PCS出力100kW未満の設備も補助対象に含まれるため、「49.5kWなら使えるのでは」と誤解されやすい制度です[1]。しかし、この制度が対象とするのは、あくまで需要家施設に設置され、自家消費・BCP・DR(デマンドレスポンス)等の目的で使用される業務産業用蓄電池であり、要件の中核は「高圧以上の需要側」への設置です。

PCS出力の上限だけを切り出して「100kW未満だから対象」と判断すると、電力系統へ直接接続する低圧・系統直結型の蓄電所には当てはまらないという重要な条件を見落とすことになります。低圧・系統直結型の独立蓄電所は、需要家施設への設置を前提とするこの制度の対象設備定義に該当しないため、2026年8月7日時点で、SIIの業務産業用蓄電システム導入支援事業を49.5kW級の系統直結型蓄電所に適用できるという公表資料上の根拠は確認できません。

制度名だけで「使えそう」と判断せず、対象設備の定義を必ず公募要領で確認してください。

令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業

令和7年度補正予算による「系統用蓄電システム等導入支援事業」は、系統用蓄電池を対象とする制度として事業ページ自体は公開されています[2]。ただし、2026年8月7日時点で、対象設備の出力・受電電力の要件、補助率、上限額、スケジュールを含む詳細な公募要領はまだ公表されていません[3][4]

制度の名称に「系統用蓄電システム」とあることから、49.5kW級の低圧・系統直結型蓄電所にも適用されると期待したくなりますが、要件が確定していない以上、対象・対象外のいずれとも断定できません。本ページでは、公募要領が公表され次第、内容を確認のうえ速やかに更新します。現時点で確実に言えるのは、「制度は存在するが、49.5kWが対象になるかどうかは未確定」ということだけです。

過去の系統用蓄電池補助制度と自治体補助金

過去の系統用蓄電池補助制度

系統用蓄電池を対象とした国の補助制度は、令和7年度補正以前にも存在していました。「令和7年度 系統用蓄電池導入支援事業」は公募をすでに終了していますが、この制度における対象設備は、最大受電電力1,000kW以上の系統用蓄電システムが条件でした。49.5kWという出力は、この条件を大きく下回るため、仮に同様の制度が今後再度実施されたとしても、49.5kW級の低圧・系統直結型蓄電所がそのまま対象になるとは限りません。過去の制度実績は、系統用蓄電池向けの補助制度が中大規模設備を想定して設計されてきた傾向を示す参考情報として捉えてください。

自治体補助金の確認方法

国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自に蓄電池向けの補助金を設けている場合があります。ただし、対象となる設備の接続形態(需要側か系統直結か)、出力の上限、募集期間、予算枠は自治体ごと、年度ごとに大きく異なり、全国共通の制度としては存在しません。低圧・系統直結型の蓄電所を自治体補助金の対象として検討する場合は、設置を予定する自治体名を特定したうえで、その自治体が公表する最新の公募要領を確認し、対象設備の定義に系統直結型が含まれているかを個別に確認してください。

制度早見表(2026年8月7日時点)

公表資料に基づく整理。制度の詳細は各機関の公募要領で個別にご確認ください。
制度2026年8月7日時点49.5kW低圧・系統直結との関係
令和7年度補正
業務産業用蓄電システム導入支援事業
制度・公募あり 対象外。PCS100kW未満でも「高圧以上の需要側」が条件
令和7年度補正
系統用蓄電システム等導入支援事業
詳細未公表 適用可否を判断できない。公募要領発表後に再確認
令和7年度
系統用蓄電池導入支援事業
公募終了 最大受電電力1,000kW以上が条件。49.5kWは対象外
自治体補助金 地域・年度ごとに異なる 自治体公募要領で接続形態と対象設備を個別確認

融資という選択肢 — 日本政策金融公庫と金融機関の実例

日本政策金融公庫の融資制度

補助金とは別に、設備資金の調達手段として日本政策金融公庫の融資制度が候補となる場合があります。該当するのは環境・エネルギー対策資金〈GX関連〉という制度で、正式名称のとおりGX(グリーントランスフォーメーション)関連の資金です[5]

融資限度額
7,200 万円
設備資金の返済期間
20 年以内(据置2年以内)
利用の前提
創業後1年以上

対象要件の要旨は、自社の温室効果ガス排出量を算定したうえで、炭素生産性の向上、またはグリーン成長戦略の重要分野に資するGX推進計画を実施することとされています。担保・保証人の要否や適用利率は個別の審査によって決まり、審査の結果、希望どおりの条件で融資を受けられない場合もあります。49.5kW級の低圧・系統直結型蓄電所についても対象となる可能性はありますが、2026年8月7日時点で融資が確約されているわけではなく、「対象となる可能性があるため事前相談が必要」という段階にとどまります。融資を検討する場合は、公庫の窓口へ事業計画とあわせて早めに相談することをおすすめします。

銀行・リース会社の公式融資事例

系統用蓄電池が金融機関からの資金調達の対象になり得ることを示す公式事例として、以下のようなものが公表されています。

  1. SMFG:系統用蓄電池プロジェクトファイナンス事例[8]

    系統用蓄電池向けプロジェクトファイナンスの取り組みを公式に公表しています。

  2. 日本蓄電池株式会社・リコーリース:貸付限度額49億円、高圧系統用蓄電施設14件[9]

    日本蓄電池株式会社が組成するSPCとリコーリースが、全国14件の高圧系統用蓄電施設を対象に貸付限度額49億円の限度貸付契約を締結。ノンリコース型プロジェクトファイナンスとして、第1回目の資金調達を実行しています。

  3. SBI新生銀行:電力市場販売型の大型系統用蓄電池事業向けプロジェクトファイナンス[10]

    電力市場販売型の大型系統用蓄電池事業を対象とした資金調達を公式に公表しています。

上記はいずれも高圧・大規模案件、または複数案件のポートフォリオ型の資金調達です。49.5kW級の低圧・系統直結型を単体で同条件の融資が受けられることを保証するものではありません。

また、日本蓄電池株式会社・リコーリースの案件における49億円は「貸付限度額」であり、公式発表で確認できるのは限度貸付契約の締結と第1回目の資金調達実行までです。49億円の全額が融資実行済み・調達済みであることを意味する表現は使用していません。低圧単体案件への横展開が可能かどうかは、個々の金融機関の審査によって判断されます。

低圧案件の融資審査で準備する資料

低圧・系統直結型蓄電所の融資を検討する際、審査で必要となりやすい資料を整理しました。

直近3期の決算書・納税証明

法人税・消費税等の納税証明もあわせて用意します。

設備仕様書・見積書・工事内訳

機器仕様と工事費の内訳が分かる資料です。

土地の権利資料

所有権・賃借権等、用地の権利関係が分かる資料です。

系統連系に関する資料

連系申込、接続検討回答、工事費負担金、連系予定日を確認します。

アグリゲーターとの契約条件

会社名、契約条件、手数料、解約条件を確認します。

ベース・下振れ・ストレスの3ケース収支

想定どおりに進まない場合の収支も準備します。

保証・O&M・保険の体制

蓄電池・PCSの保証、劣化条件、交換費用、EPC・O&M・障害対応・保険の体制を確認します。

自己資金・返済計画・GX推進計画書

自己資金額、既存借入、返済計画に加え、公庫融資を検討する場合はGX推進計画書・二酸化炭素排出量集計表も準備します。

即時償却・税額控除の注意点

即時償却や税額控除といった税制優遇についても、蓄電池を導入すれば自動的に適用されるものではありません。たとえば中小企業経営強化税制は、青色申告であること、経営力向上計画の認定を受けていること、新品設備であること、指定事業に該当することなど複数の条件を満たしてはじめて適用の検討対象になります[6]。特定生産性向上設備等投資促進税制についても、国税庁の資料上、設備の規模や投資利益率等の要件が定められています[7]

適用の可否は、設備区分、投資金額、事前認定の有無、事業内容などによって異なるため、契約・発注前に顧問税理士および関係機関へ確認してください。

補助金なしで収支を検討する理由

2026年8月7日時点で、49.5kW級の低圧・系統直結型蓄電所に確実に適用できる国の補助制度は確認できていません。そのため、事業性を検討する際の基本ケースは「補助金0円」を前提とすることをおすすめします。補助金の活用を前提とした収支試算やIRR(内部収益率)の提示は、制度の対象可否が未確定な段階では実態より有利な数字を示すことになりかねません。

系統用蓄電システム等導入支援事業の公募要領が公表され、49.5kW級への適用が確認できた場合に限り、制度名・対象要件・公募年度を明記したうえで参考ケースとして追加します。低圧・系統直結型蓄電所の収支シミュレーションの詳細は、別記事で今後解説する予定です。

制度の最新動向 — このページは随時更新します

補助金・融資・税制は変更頻度が高い領域です。本ページの記載内容は、SII、日本政策金融公庫、国税庁、各金融機関の公式発表等の一次情報を基に、確認できる範囲を記載しています。公式発表が更新された場合は、目安として72時間以内に内容を再確認し、必要に応じてページを更新します。

  • ページ公開。SII・公庫・国税庁・金融機関の公式発表を基に、49.5kW低圧・系統直結型の対象可否を整理。

よくある質問

低圧系統用蓄電池に使える補助金はありますか?
2026年8月7日時点の公表資料では、49.5kWの低圧・系統直結型蓄電池への適用が確認できる国の補助制度はありません。令和7年度補正の「系統用蓄電システム等導入支援事業」は制度ページのみ公開されており、詳細な公募要領は未公表です。要件が発表され次第、本ページで確認し更新します。
SIIの補助金の対象になりますか?
SIIの業務産業用蓄電システム導入支援事業は、PCS出力100kW未満の設備も含みますが、対象は「高圧以上の需要側」に設置する業務産業用蓄電池です。低圧・系統直結型とは別の制度であるため、接続先や利用目的を確認したうえで判断する必要があります。
個人でも申請できる制度はありますか?
本ページで扱う制度は主に法人・個人事業主を想定した国の補助・融資制度です。個人による申請の可否は制度ごと、また自治体補助金の場合は自治体ごとに条件が異なるため、該当する制度の公募要領を個別に確認してください。
日本政策金融公庫から融資は受けられますか?
環境・エネルギー対策資金〈GX関連〉の対象となる可能性はありますが、融資が保証されているわけではありません。融資の可否・条件は、事業者の財務内容と事業計画に基づく個別審査で決まります。
銀行から融資を受けることはできますか?
SMFG、日本蓄電池株式会社・リコーリース、SBI新生銀行など、系統用蓄電池を対象とした大規模・高圧案件の公式融資事例は公表されています。ただし、これらは低圧単体案件への融資を保証するものではなく、適用は金融機関ごとの個別判断です。
即時償却などの税制優遇は使えますか?
蓄電池であれば自動的に適用される税制優遇はありません。中小企業経営強化税制など、対象となりうる制度には青色申告、経営力向上計画の認定、新品設備であることなどの要件があり、契約・発注前に税理士へ確認する必要があります。
いつまでに申請すればよいですか?
系統用蓄電システム等導入支援事業をはじめ、詳細未公表の制度については申請時期そのものが確定していません。自治体補助金は年度ごとに公募期間が設定されるため、対象自治体の最新情報を確認してください。
制度の情報はいつ更新されますか?
本ページに関わる公式発表が更新された場合、目安として72時間以内に内容を再確認し、必要に応じてページを更新します。ページ末尾に最終確認日を表示しています。

低圧の案件条件や資金計画について相談する

低圧の系統用蓄電池について、案件条件のご確認や、融資相談前に必要な資料の整理、用地・案件のご相談を承っています。補助金の適用可否や融資結果を保証するものではありませんが、まずはお気軽にお問い合わせください。

出典

  1. SII(環境共創イニシアチブ)業務産業用蓄電システム導入支援事業
    https://sii.or.jp/DRchikudenchi_gyousan07r/
  2. SII 令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業
    https://sii.or.jp/chikudenchi07r/
  3. SII 令和7年度 系統用蓄電池公募情報
    https://sii.or.jp/chikudenchi07/public.html
  4. SII 令和7年度公募要領 PDF
    https://sii.or.jp/chikudenchi07/uploads/R7kess_kouboyouryou.pdf
  5. 日本政策金融公庫 環境・エネルギー対策資金〈GX関連〉
    https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/15_kankyoutaisaku.html
  6. 国税庁 中小企業経営強化税制
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5434.htm
  7. 国税庁 令和8年度法人税関係法令の改正資料
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2026/pdf/D.pdf
  8. SMFG 系統用蓄電池プロジェクトファイナンス事例
    https://www.smfg.co.jp/sustainability/social_value/interview/0021.html
  9. 日本蓄電池株式会社「リコーリースとの貸付限度額49億円・高圧系統用蓄電施設14件のプロジェクトファイナンス」
    https://www.nipponchikudenchi.co.jp/news/1629/
  10. SBI新生銀行 系統用蓄電池プロジェクトファイナンス発表
    https://corp.sbishinseibank.co.jp/ja/news/news/20260331b.html

本ページの記載内容は2026年8月7日時点の公開情報に基づく解説であり、個別案件の補助対象、融資可否、税務上の適用を保証するものではありません。制度は変更される可能性があるため、契約・発注前に、SII等の事務局、金融機関、税理士、必要に応じて弁護士へご確認ください。

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